長期運用における大きなリスクは「家賃下落」

長期運用における大きなリスクは「家賃下落」

また、相続税対策では、受け取る子世代の運用状況まで考えることが必要になります。

そのためには、購入時のプランで長期的に運用しやすい物件を選択することが重要です。

相続税対策で選ぶ収益物件における家賃の下落は、収益の悪化を意味します。さらに、家賃は売却の際に価格を決定する要素でもあるため、家賃の安定性は非常に重要です。

この家賃の下落というリスクに対しては、中古ワンルームマンションを選択することで大幅に回避ができると伝えました。

上の図は、都心のワンルームマンションにおける、家賃の経年下落のイメージ図です。

「なぜ? 新築ワンルームマンションを選ばずに、中古ワンルームマンションを選ぶのか」という理由は、家賃の下落が大きく関係しています。ワンルームマンションは、新築時の家賃を100%とした場合、築20年で20%程度家賃が下がり、その後は落ち着くというイメージです。これは、部屋の設備(エアコン・トイレ・キッチン・お風呂など)が、20年程度経過すると最新の設備に比べ古臭くなり家賃に影響をきたすためで、設備の経年劣化と共に家賃は下落するということです。新築で物件を購入した場合、相場が急騰するという例外を除くと、どんなにリフォームを頑張っても100%以上の賃料を得ることは難しくなります。つまり、「家賃の下落幅が大きいこと」と「リフォームによる収益アップが見込めないこと」が、新築ワンルームマンションの大きなデメリットです。

一方で、中古ワンルームマンションの場合、例えば築10年のワンルームマンションを購入したとすると、家賃は10%下がった状態で購入することになり、以後の経年劣化による家賃の下がり幅は10%前後に抑えられるようになります。さらに、積極的にリフォームを実施すれば、購入時の家賃まで戻すこともできるため、中古ワンルームマンションを購入した時より収益を得ることもできるでしょう。さらに、毎月の家賃を高くすることができれば、売却価格を上げることも可能です。

家賃下落の原因が住宅設備の劣化だとわかっていれば、設備の交換やメンテナンスで対応することができるので怖いものはありません。また、維持費用のかかりやすい建物の躯体部分のメンテナンスをしなくても良いので、室内を良い状態に維持することによって、入居者を確保しやすいというメリットもあります。相続を考えた場合、購入時のプランの収支から赤字が増える状態は好ましいとは言えません。これを回避するために、はじめから築10~15年のワンルームマンションを購入すれば、家賃の下落は数%以内に抑えることができるでしょう。そうすることで、購入時のプランで長期的に運用できるのです。

入居者は、ほとんどのケースが建物の外観より、室内の印象で居住するかしないかを決めます。外観は綺麗に越したことはないですが、外観より立地や室内環境を重視する入居者が多いため、建物の外観は入居時の決定的なポイントではありません。一方で、部屋の内装が古臭かったり、一昔前の設備であれば敬遠される傾向にあり入居者の確保が難しくなります。

つまり、新築から20年を目処に家賃が下がり続けているのは、住宅設備のグレードが経過年数とともに下がるから、それに連動して家賃も下がるということです。上の図のように、都心の駅近ワンルームマンションであればリノベーションの実施が条件になりますが、築40年を超えても賃料水準は高く収益の保全がしやすいのが特徴になります。

区分のワンルームマンションが、メンテナンスコストを抑えられる理由は、所有者全員で管理費・修繕積立金を毎月負担することで、適切な管理や修繕がされているからになります。しかし、アパートや一棟物件を所有している場合、こういった費用も自分で負担しなければなりません。親世代は、新築や築浅の状態で物件を所有できるので管理の負担は少ないでしょうが、築20~30年を超えて子世代にアパートが相続される場合、受け継いだ子世代は老朽化したアパートの修繕を行わなければなりません。

そのため、親から相続されるアパートの修繕費用を危惧し、セミナーに参加している子世代の人も増えています。建物の管理状態は、雨漏りや建物倒壊の恐れがなく、設備が安全に使えて、人が安心して住める状態にあるのが当然です。

しかし、アパートは、管理費や修繕積立金を定期的に積み立てるという仕組みがなく、さらに前オーナーによって修繕の実施状況が異なるため、突然の修繕にあたり多額の修繕費用を準備できない人もいます。もちろん、きちんとメンテナンスされていないアパートは、入居者からそっぽを向かれるため収益を確保することは困難でしょう。

相続で収益物件を子世代に残すのであれば、相続した後に入居者を確保できる物件を残してあげる必要があります。

上の図のように、子世代にしっかりと家賃収入を残すことが相続・贈与では重要です。そのため、子世代に相続・贈与した後に、子どもがしっかりその物件を管理運用して収益を得られることがポイントになります。子どもに物件を承継した後にメンテナンス費用が捻出できないことで、入居者を確保できず「負の遺産」になってしまうことも最近よく聞く話題の1つです。物件を購入してから相続までの期間が長ければ長いほど、子どもに相続した後の運用は難しくなってきます。これらのリスクを回避するには家賃の安定性が最重要ポイントで、収益確保ができていれば売却時にも高い価格で売却できるでしょうし、そのまま収益を得ることも可能です。親世代は不動産投資に詳しくても、子世代は素人という人も多数います。なぜなら、親世代の「ノウハウ」は子世代に引き継げないからです。これらのことから、運用しやすい物件を残すということは相続税対策において非常に重要なポイントの1つであると言えます。

「不動産」を残すのか「負動産」を残すかは親世代の物件選びで決定してしまうため、受け継ぐ子世代のことを考えた物件選びをぜひ心掛けてください。

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