生前贈与は家族のつながりも深くなる制度

相続を選択するのか贈与を選択するのかは、個人の判断によりますが、私は不確定要素が多く子どもに迷惑をかける可能性のある相続を選択するより、自分の意志である程度実行できる生前贈与の有効活用は必要なことだと考えています。

なぜなら、現在の高齢者は、以前に比べさまざまな面での金銭的負担が増えているからです。

皆さまも、「老老介護」という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。現在の日本では、平均寿命も約80〜90歳の時代に突入し、親の介護が始まるころには、子どもも定年退職を迎えて介護に疲れてしまうという問題もあります。

子どもが定年退職後の備えとして蓄えていた資金が、親の介護で消えてしまう。そういったケースでは、誰も幸せになりません。

自分の介護費用をあらかじめ子どもに贈与しておけば、子どもの介護における金銭的負担も減るでしょう。

そもそも、いざ本人が相続により資産を受け取るとなっても、その段階で子どもがすでに定年退職後の高齢者というケースも多くなってきています。子世代が、一番資金を必要としているのは、マイホームの購入費用や子どもの子ども、つまり孫の教育費用です。

本当にお金が必要な時にサポートしてあげたいと考えるのであれば、相続よりも生前贈与の方がメリットは大きいと言えます。

心情的な面でも、自分が亡くなった後より、存命の間に「ありがとう」と言われた方が良いでしょう。

生前贈与は、節税面以外でも積極的に活用することで、家族のつながりも深くなる制度なのです。

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