アパートバブル終息 着工3か月連続減

空き地

平成29年10月21日の日経新聞朝刊にて「アパートバブル終息」との記事がありましたので紹介いたします。

過熱していたアパートバブルに終息の兆しが強まってきています。相続税対策と低金利を背景とし、貸家の新設着工数は直近2年近く、高い伸びが続いてきましたが、ここ3か月は連続で減少。地方では空室が埋まらず、一定期間の無料貸しを売りにするというオーナーにとっては収支計算が狂ってしまう物件さえあるようです。アパート融資に奔走してきた貸出先に困る地銀も、金融庁の監視強化により流れが変わってきています。

 

<“フリーレント”という落とし穴>

JR栃木駅から徒歩30分の空き地や山々に囲まれたある地域には、アパートの入居者を募るノボリや看板がわずか数百メートルの範囲内に8つも。今夏に完成した新築のアパートは20部屋弱あるうち、なんと9割ほどが空室のままという事実があります。

空室の物件を大手不動産サイトで検索してみると「フリーレント」のサービスを付けると記載があります。不動産業界は空室が埋まらない場合、1~3か月の間無料貸しをしたうえで契約に結びつけるという裏ワザがあるんです。現在、栃木では1000件以上もの物件がフリーレントに出ています。地元の主婦は「昔は兼業農家が多く、誰も土地を売らなかった。今は農業をしないし、相続税対策でアパートが増えた」と話します。

国土交通省の調べでは貸家の新設着工数は今年6月からから3か月連続で前年同月間の実績を下回りました。28都道府県で着工数が減り、中でも最大の下げ幅となったのは栃木の53%。アパートは2015年1月の相続税の優遇策に加え、日銀が16年2月に導入したマイナス金利のよって急速に伸びました。貸家着工数は6月まで19カ月連続で増加。16年度は全国に43万戸弱が供給され、前年度比の伸び率は2ケタ増と、まさにバブルの再現となりました。

<地銀がけん引したアパートローン>

アパートバブルをけん引したのは地銀勢でした。日銀のマイナス金利政策により、収益を穴埋めするためにアパート融資に拍車がかかりました。16年末のアパートローンの融資残高は前年比5%増の22兆円強と過去最高を記録しました。そのうち6割強が地銀の融資で占められます。

昨年末から一転し、今年4~6月のアパート向け新規融資額は前年同期比15%減と09年の統計開始以来、最大の下げ幅になりました。こうした結果に、地銀へ強い警戒感を寄せるのが金融庁です。「アパートローンは持続可能ではない」。都内で開かれた全国地方銀行協会との意見交換会で、金融庁首脳は地銀トップたちに明言しました。節税効果の強調・将来の空室リスクを十分に説明しないなど、同庁は融資先の顧客を軽視した姿勢を問題とみています。

一部の大手銀行は昨年、顧客を建築業者に紹介する見返りに、手数料を受け取っていました。この取引は違法ではありませんが、手数料獲得に動けば、その分安く建てたい顧客が不利益を被ることから金融庁は「顧客本位の業務運営」を地銀に求めており、地銀は一連の行きすぎた融資を実行できなくなりました。

金融庁幹部は「アパート融資は地銀と顧客の信頼関係を損ねかねない。今後も実態の把握を続ける」と話しています。都心部におけるアパート需要は残るが、人口減少が加速する地方で年間数千戸単位の新規供給を続けることは理にかないません。バブルが弾けるのすぐそこのようです。

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