公務員 相続案件での兼業は許可

公務員 兼業 相続

2017年9月、最高裁判所は裁判官Aが2016年9月に提起した賃貸経営の兼務許可申請を不許可とした処分に関する審査請求を棄却し、裁判官A氏の賃貸経営の兼務を認めました。
事の顛末を以下にご紹介します。

1996年、A氏は父親の土地約60坪を購入しました。
この1年後に父親は亡くなり、A氏の土地購入は相続税対策目的のものとみなされました。
A氏が購入した土地には老朽化したアパートが2棟建っており、父親死亡後は母親が相続し、娘と共に暮らしながら管理をしていました。
2013年に母が亡くなったことからAが同アパートを相続することになり、妹は転居。アパートは空き家となってしまいました。
A氏は2015年にアパートを建て壊し、約1億3000万円で12戸のアパートを1棟建築し、不動産会社に30年間貸し付けることに合意しました。

公務員の副業については人事院規則14-8に明文化されており、「不動産の賃貸が5棟以上か、貸与できる独立した区画が10件以上ある場合には兼業とみなし、上長から許可を取る」と定義されています。
更に兼業に必要な条件として①不動産賃貸業と官職との間に利害関係が生じないこと②管理業務を委託するなどして官職の業務に支障が出ないこと③公務員としての信頼性や公正性に支障が生じないこと、という3点の条件があります。

A氏は自身の兼業規定が公務員の規定に基づくものと捉え、3点の条件もクリアしていたことから、最高裁に兼業の許可を求める申請を行ったのでした。
最高裁は①建物が新築される予定であること②サブリースの内容、の2点を踏まえ投資的な事業であると判断し、2016年7月に兼職を不許可と判断しました。

ですが、A氏の土地の購入自体も相続税対策と考えられ、空き家で税金だけがかかる負動産を立て壊して新築することは資産防衛の一環ともとらえられることから、不許可処分が棄却となったのです。

公務員が親から不動産を相続するケースは少なくなく、公務員だからといって5棟10戸以上の賃貸経営が認められないということではなく、当人の状況を踏まえることが多いそうです。
公務員が相続した不動産の経営に関しては、兼業の許可が出る傾向にあるとのことで、今回のA氏の件が認められたのも、先の土地購入が相続税対策とみなされていたことが影響していたようです。

■公務員の副業の定義(一部)
・不動産の賃貸が5棟以上
・貸与できる独立した区画が10件以上である場合
■兼業が可能になる場合
①不動産賃貸業と官職との間に利害関係が生じないこと
②管理を不動産会社に委託するなどして官職の業務に支障が出ないこと
③公務員としての信頼性や公正性に支障が生じないこと
④①~③を満たすと認められ許可を受ける

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