相続時の煩雑な手続きを軽減

相続時の煩雑な手続きを軽減

2017年12月9日の日本経済新聞に相続に関する証明書の記事が掲載されておりましたのでご紹介させて頂きます。

相続が発生すると、亡くなった人(被相続人)の財産の名義を、相続する人の名義に換える手続きが必要になります。その際にそろえなければいけない書類は多く、手間がかかります。その負担を少しでも減らそうと、全国の法務局(登記所)が5月末から始めたのが「法廷相続情報証明制度」です。

これはどういった仕組みなのかをみていきましょう。

名義変更の手続きを煩わしく感じる理由は2つあります。

まず、誰が法定相続人にあたるかを確認してからでないと、法律上遺産を分けることはできませんので、被相続人が生まれてから死亡するまでの、全ての戸籍謄本(除籍謄本含む)を集める必要があります。

謄本は生前に本籍のあった全ての市区町村から集めることとなり、何代もさかのぼって集めるとなると、「戸籍の束」といわれるほど枚数が増え、通常、戸籍謄本は1通450円、除籍謄本は750円という手数料もかさみます。

もうひとつの理由は、名義変更の届け出先の多さです。預金であれば銀行、株式なら証券会社、自動車は運輸支局などと、財産の種類ごとに別々の場所に出さなければならず、不動産の名義を変更する場合は、法務局(登記所)に提出します。謄本を複数セット用意したり、使いまわしたりする必要があって、大変時間がかかっていました。

これら2つのうち、後者の手間を減らすために始まったのが「法定相続情報証明制度」です。

誰が法定相続人にあたるのかを、法務局が証明書にしてくれる仕組みで、証明書を申請するときはまず、集めた謄本を元に、被相続人と法定相続人の一覧図を作ります。それを謄本と共に法務局に提出。登記官がチェックし、内容が正しければ証明書にしてくれます。

無料で証明書を何通でも発行してくれるので、複数枚もらっておけば、手続き先が多くても同時に手続きできるため、従来よりも時間と費用がかからずに済みます。

法務局によると、証明書の発行枚数は制度j開始後の半年間で約20万枚で、このペースだと年間40万~50万枚に達するのではないかといいます。一人で複数枚を受け取るケースが多く、年間の利用者数は10万~20万人になる計算です。実際に金融機関でも「証明書を使った手続きが増えている」(三井住友銀行)といいます。

実は証明書には名義変更の他にも使い道があります。例えば家庭裁判所で遺産分割調停や相続放棄の手続きをする際、戸除籍謄本に代えて利用するケースです。

注意点もあります。証明書は、被相続人の死亡時の法定相続人を示すものです。後に相続放棄があった場合は、証明書の他に、家庭裁判所による相続放棄の証明書なども提出する必要があります。

証明書はいまのところ相続税の申告の添付書類としては使えません。法令で指定されていないほか、様式が簡単すぎるからです。

相続税では被相続人に実子がいる場合、法定相続人に含める養子の数を制限しています。ところが現在の証明書の様式では実子、養子を区別せずに「子」として表記していますので、これでは使いづらいので税務署では受け付けていないといいます。ただ財務省では「2018年度の税制改正で認められれば、受け付け開始に向け法務省と協議する」としているようです。

このように、2015年1月の相続税改正によって対象者のすそ野が広がった結果、その手続きの整備が始まっています。

「終活」に際して、争わない相続、相続後の資産復元といった観点だけでなく、こういった手続きの簡素化も踏まえて、相続する資産の見直しを図ってみてはいかがでしょうか。

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