日経新聞調査 人口減少の影響 店舗などの閉鎖により生活に支障4割

1月29日の日経新聞に、人口減少率が高い市町村へのアンケート結果の記事がございましたので、ご紹介いたします。

 

日本経済新聞は、人口減少率が高い全国の市町村に、直面している課題を探るアンケート調査を実施しました。

調査は2017年10~11月、日経リサーチを通じて実施したもので、2015年の国勢調査の人口が2010年と比較して10%以上減少した220市町村(原発被災自治体を除く)に対してアンケートし、175市町村から回答を得ることができました。

 

その結果、小売店などの撤退により生活に支障をきたしている地域を抱えた自治体が4割に上ることが判明し、自治体主導で店舗やガソリンスタンドを設ける事例などがあることが判明しました。小規模集落を抱えるところも多く、住民の生活を支えるべく試行錯誤している状態です。

 

アンケートの「小売店などの閉鎖で住民の日常生活に支障をきたしている地域があるか」という質問に、「ある」という回答は41%で、「現在はないが近い将来支障をきたす可能性が高い」という回答が29%となり、合計で70%にも上ることが分かりました。

「ある」と答えた自治体に直営や外郭団体などへの委託で維持しているサービスがあるかを複数回答で聞いたところ、なんらかの形で代替しているケースが合わせて58%ありました。

和歌山県すさみ町は2009年以降、周辺施設が相次いで閉鎖し、周辺36キロメートル区間はガソリンスタンドの空白地帯となっていましたが、昨年、閉鎖した施設の跡地や設備などを買い取り、設備を一新。町立のガソリンスタンド「江住給油所」をオープンしました。指定管理者制度を通じ、町内の個人事業者が運営しています。町の事業費は総額約5000万円で、このうち2000万円は資源エネルギー庁からの補助金で賄いました。

 

愛媛県久万高原町では民間のバス会社が昨春撤退した区間に、町営の代替バスを走らせています。かつて約1万5000人あった人口は8500人を切り、通学などの足を守ることで人口流出に歯止めをかける狙いです。

 

こうした自治体による代替には費用がかかるため、継続性が課題となります。

そこで、住民同士で車を相乗りするライドシェアなど「モノやサービスを融通しあうシェアリングエコノミーの導入」についてたずねたところ、「すでに導入済み・検討」は13%でした。行政サービスの一部を住民同士で代替できる可能性もあるが、同時期に全国814市区を対象にした同じ調査の結果が26%だったのに対し、半分、という結果でした。

一方、「外国人材を受け入れたい」という回答は「積極的に」と「ある程度」を合わせ農林漁業が42%、製造業が34%でした。814市区を対象にした調査では「どちらともいえない」など消極的な回答が多かったため、人口減自治体の危機感の強さを読み取ることができました。

 

人が住まなくなった「消滅集落を集計しているか」という質問では、14%に当たる24自治体が「集計している」と回答しました。過去5年間の合計については大半がゼロでしたが、徳島県つるぎ町は5カ所あると回答しました。

同町は2024年度までの総合振興計画策定時に、町内全集落の3分の2を占める山間部の120集落を調査しています。職員200人が1年半かけて山間部の集落に足を運び、住民に不便などを丹念に聞き取りしました。

その結果、10~15年の5年間に町内で5集落が消滅し、今後も消滅は続くと確認しました。総合振興計画の実施に当たり、人口減少を受け入れて住民の幸せを追求する「幸動計画」を3年ごとに定めることにしました。

ただ、このように丹念な調査事例は珍しく、「集計していない」が9%、「集計していないが、消滅した集落はない」との回答が77%と最多でした。

一方、「住民が10人未満の集落の有無」については、「ない」が56%で、41%に当たる71の自治体は「ある」と回答し、10人未満の集落が50カ所以上ある町もありました。「あるとみられるが集落数は不明」も2%(4自治体)ありました。

 

昨年、高知県大川村では議会の代わりに住民が予算案や条例案を審議する町村総会の設置を一時検討して話題となりました。今回、アンケートで担い手の確保が難しい「地方議会のあり方」について聞いたところ、北海道奥尻町は「議会の廃止と町村総会の導入を検討すべき」と回答。14町村は「議会に代わる新たな制度を国が作るべき」としました。

新制度を求める14町村で最も多いのは北海道で、小平町・天塩町・せたな町の3町。福島、奈良両県がそれぞれ2町村で続きました。

こうした回答は全体の9%と少数派で、定数削減などで「今の議会機能を維持」が59%を占め、「わからない・その他」も32%ありました。全国814市区を対象に実施した調査では「維持すべき」が28%で、「わからない・その他」が6割以上という結果でした。

 

調査には、島を除いた東京都内で唯一の村「檜原村」も含まれています。

新宿から電車で1時間強ですが、人口減少の影響で一時は村内に約50あった小売店が10店程度まで減り、日常生活に支障がでている状態でした。その対策として第三セクターが食品スーパー「めるか檜原」の運営を始めました。村はコンビニ各社に出店を要請しましたが「採算面で難しいと断られた」(村企画財政課)。そこで2016年4月に地元農協やバス会社なども一部出資した「めるか」を設立し、食品スーパーを始めたのでした。

2016年7~17年3月末までの初年度は計画比で2・4倍の約3600万円を売り上げ、延べ利用者数は約3・9万人に上りました。その後も順調で、人口約2300人の村で、17年4~9月期だけで村民1人あたり10回以上利用した計算となりました。「めるか」は村内の事業を多角的に展開する経営形態で、収益を安定的に確保しようとしています。

「めるか」では、16年夏からは、家庭から出る一般廃棄物の収集業務を開始しました。ごみ収集は安定した収益を確保でき、売上高の変動があるスーパー事業を支える柱になっています。

さらに、村内の観光拠点の一つ「神戸(かのと)国際マス釣場」の運営も手掛けているほか、村内の空き家を紹介する事業も担っています。村の直営では難しく、民間事業者の進出も見込めない事業の受け皿役となっています。村は「『めるか』で働く場をつくり出せば、村内に若者が定着する効果も期待できる」(同課)と見ています。

自治体が出資する組織が複数の事業を手掛ける事例としては、ドイツの「シュタットベルケ」が電力やガスなどで収益を稼ぎ、公共施設の運営など生活に必要なサービスの赤字を内部補填する仕組みとして有名です。

檜原村の「めるか」は、エネルギー事業こそ手掛けてはいませんが、堅実に稼げる事業で地域のサービスを幅広く支えています。初年度決算は約900万円の赤字でしたが、村の想定よりは赤字幅が小さい結果でした。スーパーの営業時間見直しを検討するなど、経費を削減し黒字転換を目指していきます。

東京への人口集中がますます進んでいくくということは、人口減少に歯止めがかからない市町村が存在するということです。

不動産投資として、東京という街はますます魅力的になっていくことでしょう。

これからの市場動向は、セミナーにて詳しくお伝えしていますので、ぜひ一度ご参加ください。

 

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