相続で流出、個人マネーは地方から都市へ

個人マネーは地方から都市へ

2018年7月29日の日本経済新聞に相続などによる資産の移動の記事が掲載されていたのでご紹介します。

このデータから相続される側はどこにいるのかが分かります。相続税対策を不動産で行う際、入居需要は重要なポイントですので参考にしていきましょう。

個人金融資産が地方から都市に流れ込んでいるといいます。都市に移り住む動きが続くうえに、高齢者からの相続で都市部の現役世代に資産が引き継がれるためだ。民間試算では2030年までに40道府県で金融資産が減り、地方銀行の経営を圧迫する。地銀が身の丈を合わせてコスト削減を進め、新たなビジネスモデルを構築しなければ、地域金融が機能不全に陥りかねない事態になっています。

日銀によると、家計の金融資産は2018年3月末で約1829兆円あります。17年12月末よりやや減少したものの、過去最高の水準となっており、このうち現金・預金は5割強の961兆円あり、金融機関はこれをもとに融資や投資をします。この巨額の金融資産には地域と世代の「偏り」があるといいます。

野村資本市場研究所が人口減や高齢化、相続に伴う資産移転の影響を試算したところ、30年までに金融資産が増えるのは東京都と埼玉、千葉、神奈川、愛知、滋賀、奈良の6県だけだったといいます。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、30年の人口が15年より増えるのは東京都と沖縄県だけですが、東京以外の首都圏で人口が減っても金融資産が増えるのは、相続人がそれだけ集まっていることが大きいのです。地方に住む高齢者が亡くなり、首都圏に住む子どもたちが財産を受け取る形となるわけです。

地銀は日銀のマイナス金利政策で貸出金利が下がり、収益力が落ちており、18年3月期決算では上場地銀80行・グループのうち6割が最終減益となっています。

そういった状況の中、さらに個人マネーの減少がこれに加わるわけです。住宅ローンや年金運用といった個人向けサービスの収益機会は一段と乏しくなります。

しかしある金融庁幹部は「営業店が軒並み赤字なのに、店舗の統廃合など抜本的な経営の効率化に取り組めていない地銀も目立つ」と苦言を呈します。縮む経済に身の丈を合わせる経営判断が遅れて、コスト削減が遅れれば、収益はさらに圧迫される可能性が高いのです。仮に赤字になれば自己資本が減り、貸し出しのリスクに消極的になってしまい、地域の金融仲介機能が低下する悪循環が生まれてしまいます。

都市への人口流入は今後も続く可能性が高く、野村資本市場研究所の宮本主任研究員は地域経済を金融面で支えるには、「金融機関が時代に合わせて変わることが重要だ」と指摘しています。

個人マネーの縮小に直面する地銀が取り組むべきもう1つの課題が、現金と預金が半分超を占める家計金融資産を投資に振り向けるサービスを手がけることです。

金融庁が米連邦準備理事会(FRB)や日本の総務省の調査をもとに分析したところ、退職した世代における日本人の金融資産は米国人の半分以下だといいます。日本はバブル経済が崩壊した1990年代から横ばいなのに対し、この時期にほぼ同水準だった米国人がほぼ3倍に増えています。

米国では確定拠出年金(401k)などの活用を中心に、「老後を見据えた資産形成が大きな差につながった」(金融庁幹部)。株式や投資信託に広く分散投資する米国人が、現金志向の日本人より資産を増やしている結果となっています。

日本は世界に先駆けて高齢化が進んでおり、「全体で見た個人金融資産は減少に転じる可能性がある」(ニッセイ基礎研究所の斎藤経済調査室長)。その日本でも先駆けて高齢化する地方で個人の金融資産を維持するには、地域の金融機関による顧客本位の業務運営など資産形成の支援が欠かせません。

貸出金利の低下に悩む金融機関にとって、個人向けの資産形成サービスは今後の収益を期待できる分野だ。地方の金融機関が収益力を高めれば金融仲介機能の向上につながり、地方経済に好循環を生むことができる。

相続による資産の移動と、地銀の関係を解説した記事でしたが、注目すべきは資産の移動先です。

相続による首都圏への資産移動、これは東京への人口一極集中化が大きな要因のひとつだと思われます。相続税対策の王道として流行ったアパート投資、しかし地方の入居需要が見込めない場所にアパートが乱立した結果、空室で資産を減らしてしまうケースが多発、金融庁から警鐘が鳴らされるほどの問題となりました。地方から人口が流出している中、アパートだけが乱立してしまえば空室になってしまうのは当然です。つまり、相続税対策として不動産を活用するのであれば、入居需要は大きなポイントなのです。和不動産では、都心の築浅中古ワンルームマンションを活用した相続税対策をおススメしています。人口が集中している東京において、なぜ都心なのか、なぜアパートではなくマンションなのか、などを詳しくご紹介していますので、ぜひお気軽に足を運んでください。

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