「増税」の相続税と、「減税」の贈与税

「増税」の相続税と、「減税」の贈与税

増税された相続税と優遇される生前贈与。その理由は?

相続税は、平成27年に税制改正され課税強化されたのに対し、生前贈与は、さまざまな優遇策が取られています。私が考える相続税対策のファーストチョイスは、「生前贈与」です。自用地にアパートを建設することやタワーマンション節税など、単純な相続だけを前提とした対策がファーストチョイスになるような間違った情報が氾濫していることに対しては、警鐘を鳴らしたいと思います。自社の商品と相続税対策のシナジー効果が高いために、アパート経営やタワーマンション節税こそ相続税対策の王道であるという風潮になっていますが、「いかに生前贈与を行い相続時の資産を減らすか」が一番効果的な相続税対策といっても過言ではありません。

そのことを理解するには、相続と贈与の違いを把握する必要があります。そもそも「なぜ? 相続は課税強化され、贈与は優遇制度が設けられているのか」について、確認することから始めましょう。

相続税が課税強化された背景としては、日本の人口ピラミッドがいびつな構造をしているからです。総務省統計局の調べによりますと日本の人口ピラミッド(平成25年10月1日時点)は、左の図のようになっています。日本の人口で一番多い世代は、団塊の世代と呼ばれている60〜65歳の年代です。この世代の人たちは、これから本格的に老後を迎えるにあたり年金の不足分を補うため、今まで貯めた預貯金を使えない状態にある人とも言えます。

60歳以上の世代に社会保障不安があるうちは、今まで貯めた預貯金を使うことを控えるため、市場に消費が生まれません。現在、日本における預貯金のほとんどは、高齢者が保有していると言われていて、この預貯金が使われないかぎり、日本の景気が良くなることもないでしょう。

そういった背景から、世代間格差を解消するためや消費を誘発する景気対策として生前贈与は優遇されているのです。例えば、団塊の世代が若いころには、今のように消費税も導入されていませんでした。そのため、税の世代間格差をなくすために消費税増税や相続税増税などが検討され、今の60歳以上の年代から現役世代へ富の再分配が行われる政策に対しては、優遇措置が取られています。そういう意味では、生前贈与という方法は、高齢世代から現役世代へわかりやすく富の再分配が行われる方法なので、その流れを促進する制度が多く設けられました。

図のように生前贈与のメリットを利用している人は年々増え、贈与の申告者数も増加傾向です。本書のテーマは、「生前贈与×都心の築浅中古ワンルームマンション」を活用した相続税対策になります。このテーマを選んだ理由は、ワンルームマンションを活用することで、生前贈与のメリットを最大限に引き出せるからです。そのためには、贈与の仕組みを知らなければなりません。しっかりと確認していきましょう。

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る