ドロ沼「争族」を回避するための3つの知恵

ドロ沼「争族」を回避するための3つの知恵

■裁判所には年間16万件を超える相談が寄せられている

 

相続税対策において、相続税の納税額を抑えること以外に大事なこともあります。それは、「相続」が「争族」にならないように配慮することです。相続は、誰にでも必ず起こる出来事になります。ここ数年の司法統計では、家庭裁判所における相続関係相談件数は16万件前後発生していますし、遺産分割調停新受件数も右肩上がりです(上の図参照)。今後、課税対象となる被相続人数は年を追うごとに増えているため、家庭裁判所への相続相談件数は今後も増えていくでしょう。

国税庁の「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、課税対象となる被相続人数は年を追うごとに増えています(上の図参照)。特に、相続税改正が実施された平成27年は死亡者数に対し課税対象者は急激に増え、もはや相続税対策は今までと違う次元へと突入しています。

平成27年度の司法統計(上の図参照)では、遺産分割事件のうち遺産の価格別調停成立件数の内訳は、「1000 万円以下」の案件が32・1%、「5000 万円以下」の案件は43・8%となっています。遺産トラブルは、富裕層の出来事だと考えている人も多いと思いますが、実際の遺産分割のトラブルは約75%が「5000 万円以下」の案件です。これらの統計から相続問題は、富裕層ではなく、むしろ一般家庭だからこそ起こるトラブルであることを覚えておいてください。しかも、相談件数の統計は、平成27年度の相続税改正前のデータです。改正後は、基礎控除が4割下がったことにより相続案件数も増える可能性もありますし、5000 万円以下の遺産額の相続も増えるケースも考えられるで

しょう。国税庁の調べでは、相続税増税後の相続税納税者は、改正前に比べ1・8倍の申告者数になりました。つまり、平成27年の相続税改正で課税対象者のすそ野が広がったわけですから、5000 万円以下の案件急増を加味して考慮した場合、多くの家庭が「争族」に巻き込まれる可能性もあるということです。もはや相続によるトラブルは、国民的問題といっても過言ではないでしょう。

相続する財産の不平等が「争族」発生の大きな要因に

一般的に争族が起こる原因としては、相続財産のほとんどを分割の難しい不動産で占めていることが原因と言われています。相続財産の内訳は、国税庁の「平成26年分の相続税の申告状況について」によると土地が41・5%と最も高く、これが原因でアパート建設が増加しているといっても過言ではありません(上図参照)。現金や有価証券では相続税評価額が高くなり、土地にアパートを建てれば分割が難しくなるというジレンマに悩む人も多いのではないでしょうか。

そして、遺産相続でトラブルになる原因は、上の図のように遺産が「不平等」の場合や、「財産の価値が違う」ということも挙げられます。もし、相続税対策に不動産を組み込むのであれば、なるべく似たような物件を平等に分けることが重要です。相続を受ける側は、必ずしも独立後の経済的境遇や結婚後の家庭環境が同じではありません。相続を受ける側の誰もが納得する公平性も、相続では重要なことでしょう。

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