厳しい監視の目 相続税の申告漏れに注意

例年7月から12月にかけて税務署は忙しくなります。なぜなら、相続税、贈与税、所得税などの個人の税金について集中的に税務調査をする時期だからです。
内訳でいうと所得税の調査が最も多く、2018年6月までの1年間で7万件超、相続税は1万件超の実地調査が行われました。
相続税は所得税に比べて件数は少ないですが、これは申告人数が少ないためで、相続税の調査対象になるのは10人に1人と、かなり高い割合です。
その上、税務調査は相続税が一番厳しいらしく、申告漏れを指摘される割合も高いようです。

相続税調査の傾向

税務署の「お尋ね」や調査の対象になりやすい主な項目

1.被相続人の名義預金、名義株を申告していない

相続税の調査で最も税務署から指摘を受けやすいのは、「名義預金」です。
「名義預金」とは、被相続人が相続人の口座名義を借用した預金のことで、本来は、
相続財産として申告する必要があるのに申告していないものを指します。
税務署では被相続人と相続人の過去数年間の預金口座の入出金状況を調べ、預金を移し変えた形跡が農耕であれば、
「名義預金」と認定する傾向が強いそうです。
実際に、申告漏れが多い相続財産の中で「名義預金」等現預金は3割以上になります。

2.相続開始時点の預貯金残高を申告していない

亡くなった人の預貯金残高が相続開始時点から大きく変わった場合、
相続税を申告する際は相続発生時点の残高を記載する必要がありますので、
例えば、亡くなった人の口座から葬儀費用や、病院への支払い等で多額のお金を引き出した場合等は
ご注意ください。「お尋ね」がくる場合があります。

3.小規模宅地の特例の用件をみたさないのに申告している

「小規模宅地の特例」が使えれば自宅敷地の評価額を80%減らせますが、
特例の用件を満たさないないのに誤って申告するケースがあります。
特に15年に相続増税されてからは、都市部の中流層で間違えるケースが多いようです。

4.死亡保険金の非課税枠を超える部分を申告していない

死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超える部分を申告していない場合も
追及されやすいです。

5.国外財産

最近、相続税の調査では国外財産が対象になるケースも目立ちます。
日本の税制では親子ともに10年超住んでいない限り
国外財産にも日本の相続税、贈与税がかかりますが、
親からの相続、贈与で受け取った国外財産があるのに、その分の相続税等を申告しない富裕層が目立ちます。
税務当局は個人の国外財産を監視する仕組みを年々強化しており、たとえば、
毎年12月31日時点で国外に5000万円超の財産がある人は財産の種類、数量、価額を申告する必要があります。
申告漏れがあると税務調査の対象になる可能性があるので修正申告する富裕層も増えてきました。
早めに修正申告をすれば加算税は取られないので、早めの申告が望ましいです。

特に厳しい相続税調査の対策は忘れずに!

税務調査では税務署が申告書や支払調書、金融機関などで独自に調べた情報を基に質問をしてくるので、納税者が忘れていたり、未確認の場合もよくあります。納税者の陳述が記録され、不利な証拠になる可能性もあるので、税理士に立会いを依頼するのがよいでしょう。

相続が起こる可能性がある場合、予め相続に関する知識を身につけ、尚且つ、きちんと専門家に相談し、正しい申告をできるように準備しておくことが大切です。

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