富裕層だけじゃない!増加する課税対象者

富裕層だけじゃない!増加する課税対象者

対象者は前年比1.8倍!すそ野が広がり身近になった相続税

相続税が改正されたのは、平成27年1月のことです。

まずは、相続税改正前の平成26年と改正後の平成27年では、どのような変化があったのかを確認していきましょう。

国税庁は平成28年12月15日、平成27年に亡くなった約129万人のうち、財産が相続税の課税対象となったのは、前年比(相続税改正前に比べ)83%増の約
10万3000人で、課税割合が現行の課税方式となった昭和33年以降で過去最高を記録したと発表しました。
実際に相続税を納めた相続人の数も、平成26年分の13万3310人から平成27年分では23万3555人になり、約10万人増加しました。

これは、平成27年の相続税改正により課税対象者のすそ野が広がったことに加え、路線価の上昇や株高による課税価格の上昇なども税額の増加の背景にあると見られています。
実際に、相続税の税額は1兆8116億円と30.3%増加し、対象者が広がった

一方で、1人当たりの税額は1758万円と715万円減少しました。
これは、相続税改正が大きな話題になり、対策する人自身の意識が高まったことはもちろん、課税対象者が広がったことにより、平均が大きく下がったと見るのが妥当と言えるでしょう。

相続財産の課税総額における内訳は、土地が38.0%で最も多く、現金・預貯金などが30.7%、有価証券が14.9%となっており、相続財産も合計で約3.2兆円増加しました。
これは、アベノミクスやトランプショックによる不動産価格上昇や株価上昇も影響しており、今後も資産インフレが続けば、相続財産の総額も増え相続税支払い対象者も増えるでしょう。

もはや、相続税をめぐる影響は富裕層だけではなく、一般家庭にまで及ぼうとしているのです。

そんな相続税増税下において、相続税対策における不動産投資の優位性は、今後ますます重要性を増すでしょう。ただし、不動産投資といっても、「都心OR郊外」「新築OR中古」「アパートORマンション」「現金購入ORローン購入」など、種類は様々です。
そのため、相続税改正以降、自分に合わないやり方をしてしまったことで、相続税対策で不動産を資産に組み込んだ人が後悔するケースも多発しており、今後はさらに後悔する人が増えることも予想されます。

まずは、過熱気味な相続税対策の現況を見ていきましょう。

平成28年11月16日に日本銀行が発表した国内139銀行の貸出金に関する統計によると、平成28年度上半期(4~9月)の不動産業向け新規融資は、前年同期比16.8%増の約5兆9000億円に達し、バブル期の平成元年度上半期(約5兆円)を上回り、年度の上半期としては過去最高を記録したという発表がありました。

これは、日銀が導入したマイナス金利政策の影響と言われており、マイナス金利政策により融資マインドの高い金融機関が、業績の伸びない企業に融資するより、担保のとれる不動産に対して貸し出しを積極的に行っていることが原因です。

金融機関としてはマイナス金利政策が実施されたといっても、企業の業績は急激に伸びているわけではないため、銀行は安易に融資を出すというわけにはいきません。

特に地方の産業は、深刻な状況で融資先を見つけるのも一苦労です。しかし、金融機関は融資を実施しなければ、日銀に利息を取られ収益が悪化します。
金融機関にとって融資をしないという選択肢はあり得ないため、担保の取れる不動産に結果として融資が集中したことで、不動産向け融資がバブル期を超えた要因になったのです。

低金利で融資を受けることができれば、不動産投資の効率は間違いなく上がるため、投資をする人が増えるのも頷けます。
それに加えて、将来の社会保障不安といったニーズが、個人マネーを不動産投資市場に引きつけ今日に至る状況が生まれたのです。

増税を煽られ情報を鵜呑みにしたことで後悔する人も増えている

マイナス金利という状況に加えて平成27年の相続税改正を控え、税理士や弁護士、司法書士などを中心に相続税対策を煽ったことで、貸家を購入して相続税対策を行っている人も急激に増えました。
結果として平成28年度上半期(4~9月)の不動産業向け新規融資がバブル期を超えたことは、自然の流れかもしれません。

バブル期の不動産投資は、買ったマンションを高く売るという売却益(キャピタルゲイン)を得ることが目的でした。

ある意味、金儲けが目的だったわけで、いい話に飛びつく人だけが実施していましたが、今回のケースは当時とは状況が異なります。相続税の支払いを少なくするという目的が明確なため、今後も相続税対策を不動産で検討する人が増えることは間違いないでしょう。

一方で、こういった資金がアパートの市場に集中しているため、空室の増加を招き収益が確保できないという問題が生まれています。
いくら不動産が有利だからといっても、物件のエリアや建物の種類などをきちんと選択しなければ、収益が確保できないためアパートを建築しても意味がありません。
不動産業者や建築業者の提案を鵜呑みにして、見当違いな方法を実施している人は、ババ抜きでいうババを引くことになり、後悔することになるでしょう。

しかし、相続税対策において、不動産が優位なのは言うまでもありません。相続税対策における不動産のメリットを享受しながら、確かな目利きによって後悔しない物件を選ぶことこそが、これからの時代に求められている相続税対策であることは間違いありません。

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