相続時精算課税制度をうまく利用して節税を!

相続時精算課税制度をうまく利用して節税を!

相続時精算課税制度とは、生前に2500 万円まで贈与しても贈与税がかからない特別控除です。

2500 万円まで贈与できるため、多額の資金を贈与税なしで子どもに渡すことが可能になります。

注意点としては、相続時精算課税制度は撤回できないということです。一度この制度を選択してしまうとその後は、撤回することはできないため、いわば究極の選択と言えます。相続時まで継続してこの制度が受贈者(贈与を受けた人)に適用され暦年贈与はできなくなるので注意が必要です。

2つ目の注意点は、相続時精算課税制度を利用する場合、相続時には相続財産の他にこの制度により贈与を受けた金額(贈与時点の金額)も加算して相続税を計算しなくてはなりません。そのため、相続時精算課税制度は、将来相続税が発生しないような家庭の場合で、かつ早めに多くの財産が欲しい場合に非常にメリットがある制度です。

■無税で贈与し「争族」も防ぐ相続時精算課税制度のメリット

相続時精算課税制度のメリットとは、以下の6つになります。

2500 万円まで無税で贈与可能

2500 万円という多額の贈与が無税で可能(相続時に相続税が発生する可能性あり)になり、2500 万円までは贈与税が発生しません。2500 万円超は一律で20%の贈与税が発生します。

◉早期に多額の財産を贈与することができる

相続時に相続税が発生しないと想定される場合には、メリットがある可能性が高いです。

◉収益物件の贈与は、相続税対策になる可能性がある

収益物件を贈与した場合には、相続税対策になる可能性があります。収益物件(マンションなど)の贈与であれば贈与後の収益は受贈者(もらった人)のものとなり、贈与者(あげた人)の財産の増加を防ぐことができるため、相続税対策になります。

◉値上がりする可能性が高い財産を早めに贈与すれば相続税対策になる

株や金・不動産などの値上がりする財産を保有し続けると、相続時に相続税評価額が増加してしまうため、早めに贈与するメリットがあります。値上がり分の相続税を節税することが可能です。

◉「争族」が防げる

相続時に発生する可能性がある争いを防げます。相続させたい財産を将来の相続人に生前に贈与しておくことで、すでに贈与した財産の取り合いになることはないため、争いを防げることがメリットです。

◉生前贈与で評価額が低くなる

まず子どもが住む家を親が取得し、その後亡くなる前にその住宅を子どもに贈与することで、現金で贈与するより住宅で贈与した方が評価額は低くなるため相続税対策となります。

使ったら撤回できない究極の選択

■注意しておくべき相続時精算課税制度のデメリット

逆にデメリットとしては、以下の7つが挙げられます。

◉一度選択したら撤回できない

相続時精算課税制度選択届出書を一度提出すると、撤回することができません。そして、同制度を選択すると、暦年贈与(毎年110 万円の非課税枠)も利用できなくなるデメリットがあります。

なお、同制度を選択した贈与者からの贈与については、暦年贈与(毎年110 万円の非課税枠)が使えませんが、 別の贈与者からの贈与については、暦年贈与(毎年110 万円の非課税枠)は使えます。

◉申告の手間が増える

相続時精算課税制度を選択した場合には、贈与額の大小にかかわらず贈与税の申告が必須となります。

◉改正があった場合は不利になる可能性も

将来、もし相続税の改正があった場合には、不利になる可能性も考えられます。現行制度では相続時精算課税制度を選択した場合にメリットがあったとしても、今後の改正内容によっては不利になることもあるでしょう。

◉小規模宅地等の特例との併用不可

相続時精算課税制度を利用して「土地」を贈与した場合には、「小規模宅地等の特例」が適用できなくなります。そのため「土地」を贈与する場合には、将来を見据えて検討する必要が生じるでしょう。

◉相続時に税金が発生する可能性がある

贈与時は贈与税が無税でも、相続時に相続税が発生する可能性があります。相続時精算課税制度を選択した場合には、生前の贈与は2500 万円まで贈与税は発生しませんが、贈与した金額を相続時に足し戻すため相続税が発生する可能性もあり、最終的に「課税遺産総額」がプラスになる場合には、相続税が発生する可能性が高いでしょう(税額控除等を加味した場合には、相続税が発生しないこともあります)。

◉生前贈与を受けた財産は物納できない

相続時精算課税制度を利用し、生前に贈与を受けた土地、建物等は、物納(物で納税すること)に使えません。本来であれば、土地や建物を相続した場合、その土地、建物で相続税を支払うことも認められていますが、相続時精算課税制度を利用し贈与を受けた財産は、物納が認められておりませんので注意が必要です。

◉コストが高くなる

不動産を生前に贈与した場合には、コストが高くなります。相続時に不動産を取得した場合には登録免許税が0・4%で済みますが、生前贈与の場合には、登録免許税が2・0%、さらに不動産取得税も発生しコストが増加するため、それを考慮してもメリットのある収益性が確保されていることが重要です。

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